一時「老後2,000万円」問題が話題となりました。実際自分はいくら必要なのか?どうやって備えるのか?年金がいくら貰えるか予想も難しい中、国に頼らず自分自身で資金を確保する方法についてご紹介いたします。
「老後2,000万円問題」の根拠
「老後2,000万円問題」の根拠は、現在の「持ち家高齢無職世帯」の平均的な家計状況を元に、「無職」の状態で「30年」生活するにあたり毎月「55,000円」赤字になる、「55,000円」×「360ヶ月」=「1,980万円」となる「総務省」の試算が元になっております。私が疑問に感じる点はそもそも毎月「55,000円」赤字になる根拠です。前提として、夫婦2人で毎月年金が191,000円支払われるとなっております。現在は事実として支払われているかもしれませんが、これを前提として、今の現役世代が老後の必要資金を議論するには全く値しないと考えています。個人的な考えですが、心身ともに健康でいる為には、誰にも頼らず「年金0」で「90歳」までは困らない計画を立てるべきだと考えます。方法として大きく2つのパターンが考えられると思います。
- 老後までに30年分の資産形成をする
- 働き続ける
今回は資産形成の方法について検討してみたいと思います。
前提条件(総務省の条件は無視)
「総務省」の試算はそもそも「持ち家」が前提です。今後家を持たないケースが増えていくと予想されますので、まず「持ち家」=「家賃0」という条件は外します。支出に関しては「地域差」「個人差」が大きいこと、今後変化は不可避だと思いますので、それぞれ毎月の支出の総額のパターン別にシミュレーションしてみたいと思います。取り崩し開始後の運用益は考慮しないこととします。
- 毎月の支出が「10万円」「20万円」「30万円」の場合
- 運用条件「年利3%」「年利5%」「年利7%」、運用期間は30年で統一
シミュレーションは「金融庁>資産運用シミュレーション」使用いたします。誰でも簡単にシミュレーション出来ますのでぜひ使用してみて下さい。
毎月「10万円」の場合の必要額は「3,600万円」
毎月の支出が「10万円」の場合は「10万円」×「360ヶ月」=「3,600万円」が必要になります。
- 年利3%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-12.png?resize=808%2C610&ssl=1)
毎月の積立額は「61,777円」となります。
- 年利5%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-13.png?resize=812%2C611&ssl=1)
毎月の積立額は「43,256円」となります。
- 年利7%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-14.png?resize=817%2C613&ssl=1)
毎月の積立額は「29,509円」となります。
毎月「20万円」の場合の必要額は「7,200万円」
毎月の支出が「20万円」の場合は「20万円」×「360ヶ月」=「7,200万円」が必要になります。
- 年利3%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-15.png?resize=813%2C612&ssl=1)
毎月の積立額は「123,555円」となります。
- 年利5%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-16.png?resize=818%2C625&ssl=1)
毎月の積立額は「86,512円」となります。
- 年利7%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-18.png?resize=818%2C616&ssl=1)
毎月の積立額は「59,018円」となります。
毎月「30万円」の場合の必要額は「1億800万円」
毎月の支出が「30万円」の場合は「30万円」×「360ヶ月」=「1億800万円」が必要になります。
- 年利3%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-19.png?resize=819%2C613&ssl=1)
毎月の積立額は「185,332円」となります。
- 年利5%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-20.png?resize=813%2C617&ssl=1)
毎月の積立額は「129,767円」となります。
- 年利7%、運用期間30年の場合
![](https://i0.wp.com/orenodiary.com/wp-content/uploads/2022/09/image-21.png?resize=817%2C620&ssl=1)
毎月の積立額は「88,527円」となります。
何に投資すれば良いのか
老後必要資金別に、「年金0」だった場合のシミュレーションを行いました。老後資金を完全にセルフで作る為には、生活水準を抑えた場合でも約3万円~18万円を毎月積み立てる必要があり、現金貯蓄だけでは遠く及ばないということがお分かり頂けたかと思います。では何をすれば良いのかということですが、オススメは「投資信託」または「ETF」の「長期積立」です。一般的に株式投資の平均利回りは「3%~10%」と言われており、「リスク」も比例すると言われています。必要額から逆算し、リスクを鑑みて商品を選んでいく必要があります。ここでは具体的な商品まで言及はせず、ざっくりとカテゴリーのみまとめます。期待利回りが低い順に並べると、
- 国内債券<国際債券<日本株<外国株
国内債券は期待利回りが0.5程度となりますので、老後の為の資産形成には向きません。現金よりは「マシかもしれない」程度の考えで大丈夫です。私がオススメしたい方法は「日本株」または「米国株」を中心に積み立てるということです。具体的な銘柄等は別記事で解説しております。
まとめ
- 老後2,000万円問題の前提条件を疑う必要がある
- 「年金0」だったとしても困らない計画を立てるべきである
- 毎月3万円~18万円を年利3%~7%で30年間運用すればセルフ年金を作ることが出来る
以上、いかがでしたでしょうか。ご参考になりましたら幸いです。
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